社長のつぶやき

2019/06/28

『今月の一言』(2019/07/01) NEW

 私は、6月24日の定時株主総会をもって社長を退任し、ファウンダー(創業者)となりました。

 在留外国人が年々増加し、外国人のための社会インフラ(財団法人、社会福祉法人、学校法人等)の必要性が高まる一方、整備は遅れているのが現状です。そのため、今後は個人活動としてこれらの整備にも一肌脱ぎたいと考えております。アバンセグループの経営からは一歩下がって、広い見地で活動することとなりますので宜しくお願い致します。

 さて、2020年4月1日から、「同一労働同一賃金」の徹底化が盛り込まれた働き方改革関連改正法が施行されます。企業から見ると、同一労働同一賃金になって人材派遣を使う意味はどこにあるのでしょうか。「コストは管理したいが、コンプライアンスには関わりたくない」この矛盾したニーズに斜に構えて雇用と使用を分離したものが派遣というビジネスモデルでした。
忙しい時だけ人が欲しい。高いスキルが要求されない仕事は外部労働者でコストカット、まさに便利なツールでしたが、今後はだめだといいます。しかし、経済はよりグローバル化、ニーズは厳然と残るどころかより強まるものと思われます。

 中小企業は人が集まらないから派遣を受入れていますが、従業員と経営者双方の高齢化と少子化が合わさり、求人はより逼迫、工場閉鎖で廃屋の途を選ぶのか、工場を存続させるためにほとんどの工程を外部労働者に委任するのか、決断を迫られています。

 昨年日本で生まれた子どもはたったの92万1000人、私たちと縁の深い島根県では、新卒高校生の県内就職者は戦後初めて1000名を切ったと言います。それも均一に減少するのではなく、選択的に出現しています(漁協は新卒者を採用できたが、船に乗る人は全く来なかったというように)。愛知県等もつい3ヶ月ほど前までは人手不足で、倒産する企業まで現れるのではと心配していたのが嘘のように人手余りが出現しており、余力のない人材業者は不安満載の夏を迎えようとしています。

 大企業は輸出主導型企業が多く、輸出が減退し始め、下請の請負・派遣会社は20~30%減員もしくは残業カットが要求されています。しかし、人員削減まで考えている企業はまだ少なく、模様眺めの様相です。夏にはダメージが具体的に出てくるでしょう。私の経験では大量に導入する力のある業者は残り、動員力の弱い業者は最初に削減になるというというパターンが今回も出始めています。

 さて、少子化が進み、景気後退と合わさった日本は、出入国管理法改正後、どんな地図・絵模様が出てくるのでしょうか。まずは在留資格別に分析しましょう。


 6月6日、政府の規制改革推進会議(議長:大田弘子 政策研究大学院大学教授)は、安倍首相に「ジョブ型正社員」の法整備について答申しましたが、日本の従来の正社員は就「職」より就「社」、今後は自らの専門スキルを活かし、職務や勤務地を絞り込んで労働条件を明文化、まさに就職を目指す社会となるだろうとしています。欧米などでは一般的で、職務が明確なため、定時に帰宅しやすく、年次有給休暇も取りやすい。女性の就業率を上げるには欠かせない雇用ツールとして、ヨーロッパでは一般的な雇用システムとなっています。日本人をジョブ型社員として育て、中層以下を外国人で支える人材採用を円滑に進めるための入管法改正だったのかと勘繰りたくなるほど絶妙なタイミングでの答申でした。

 しかし、下層労働を自らではしたくない日本人、上流はそれなりの努力が求められるため、ほどほどのがんばりで生きて行きたい日本人が大多数の現在、そこまでガンバリズムを誘導できるのでしょうか。民主主義の育っていない日本では、賃金とは生活のためのお金なのか、働いた成果の配分なのか。職制とは何か。もっと踏み込んで考えると、「働く」とは何か。AIが進めば、労働時間は現在の半分になり、現在の半数の仕事はAIが行うことになるといいます。「人生は壮大な暇つぶしだ」と言った哲学者がいましたが、まさに生きがいとは、生きることそのものが何のためなのかが問われる時代、100年に1度の社会変革に一歩踏み入れたのです。外国人受入れはその序章なのでしょうね。

ページの先頭へ