社長のつぶやき

2019/02/04

『今月の一言』(2019/02/04)

 昨年末、3紙から取材を受けました。その中で東京新聞の井上靖史記者の記事は、新在留資格「特定技能」の与える影響について、私が話した趣旨が書かれているので紹介します※。

 新制度は図の通りで、技能実習生2号は一時帰国後ほぼ無条件で特定技能1号に移行できそうです。行政側も3分の2は日本に残るであろうと予想していますが、問題は送り出し国側です。特定活動ビザも大幅に改善され、留学もこの数年毎年10%前後増加、今年は30万人を超えると予想されているところにこのビザです。賃金、労働条件、期間、そして将来の可能性を考えると、技能実習生を選択する人などいるはずがありません。現実に、ミャンマー、インドネシア、ベトナムなどは、特定技能しか送りたくないとの要望が出てきており、いまだ実体の無いビザの説明に苦慮しているのが実情です。

 技能実習と特定技能の受入れ趣旨は明確に違います。技能実習制度は「国際協力」で、新興国の人づくりに寄与することが目的であり、技能実習法第3条第2項にも、「技能実習は、労働力の需給調整の手段として行われてはならない」と記されています。技能実習の在留資格者数は、2011年に143,308人だったのが、2018年6月末には285,776人(法務省データより)へと急増、特に人手不足の中小企業が大量に受入れることで制度と実態の乖離が大きく、今回の法改正となったのです。

 新制度の受入れ業種は、介護業、ビルクリーニング業、素形材産業、産業機械製造業、建設業、造船・舶用工業、自動車整備業、航空業、宿泊業、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、電気・電子情報関連産業の計14業種で、2号移行業種は、建設業、造船・舶用工業、自動車整備業、航空業、宿泊業の5業種、この業種は家族帯同可、在留期間の更新可とほぼ移民に近い権利が付与されることになります。まさに特定技能は労働者としての在留資格なのです。

 送り出し国は、ベトナム、フィリピン、カンボジア、中国、タイ、インドネシア、ミャンマー、ネパール、モンゴルの9か国で、一昨年の11月、介護の在留資格が成立した時も日本語学校がブームになりましたが、今回はその何倍も大きく、送り出し国側は環境が激変するものと思われます。まさに今年は人材開国元年、私たちは1990年をイメージした新たな飛躍の年となりそうです。

※記事内当社紹介文に訂正箇所があります。
誤:現在、約三千人の日系人を雇う部品製造業「アバンセホールディングス」
正:現在、約三千人の日系人等を雇用する人材派遣・業務請負業「アバンセコーポレーション」

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