社長のつぶやき

2019/01/01

『今月の一言』(2019/01/01) NEW

 謹んで初春のお慶びを申し上げます。本年もどうぞ宜しくお願い致します。

 先日、社会福祉法人に経営参加しないかとお声がけいただき、同法人の理事会でプレゼンをしました。今回はその時使用した資料の概略をお話しします。

 人材ビジネスの経営者として40年余り、当初と現在では社会は様変わりしています。最初の頃行っていた事業は構内外注で、元請会社とは運命共同体のような一体感があり、景気が悪くなっても一緒に我慢、耐え忍んでいればまた良くなるからと、まさに日本丸に乗っていれば必ず良くなるとの安心感がありました。
 20年ほど前から成熟化を迎えた日本経済は、売上げや利益も横ばい、賃上げも叶わず、労働組合と経営側の合意のもと、労働者派遣法等政治も応援して、日本丸は階層社会をつくり、賃金を二層化することとなりました。
 一方、私たち請負会社も派遣に振れ始め、労働者と元請企業の中間に居たはずが、経営側に限りなく引き寄せられ、「第二人事部」の役割を担うこととなりました。労働者を守れない会社は脆いものです。2008年のリーマンショック時、およそ3,000人いた従業員が650人に、実に80%近くをリストラ、私の人生は不幸な人をつくり出しただけだったのかと思い悩みました。

 私が社会福祉に取り組むのも、実業で働き、社会的弱者を顧みることのなかった私自身の贖罪の思いからでした。
 マザー・テレサの言葉、「愛の反対は憎しみではなく、無関心です。」を地で行く人生を送ってきた私ですが、介護福祉事業を始めて、社会福祉を株式会社で行う限界も感じており、今回のご縁に「是非とも」と手を挙げた次第です。特に、外国人、障害者、女性や高齢者等、周辺化された人たちの福祉及び社会参加に注力したいと考えております。
 アメリカで最も偉大な大統領と称されるエイブラハム・リンカーン(第16代大統領)は、貧しい農家の息子として丸木小屋で生まれ、学校に行ったのもほんの1年位、親が日雇い生活で一定の住所もなく、友人もほとんどいない幼少年期を過ごしました。後に全くの独学で弁護士資格を取得、24歳で州議会議員、39歳で下院議員、そして53歳で第16代大統領へと昇りつめました。私は彼の言葉を今でも覚えていて、座右の銘としています。

 「世には卑しい職業は無く、卑しい人がいるだけだ。」

 ある朝、ホワイトハウスに秘書が出勤すると、廊下の片隅に座り込んで靴を磨いている男がおり、下働きの一人かと思って顔を見ると、なんとリンカーン大統領だったのです。秘書は、「閣下、大統領の御身分でそのようなことをなさらずとも」と言った時に返ってきた言葉がこの一言だったといいます。「人民の人民による人民のための政治」と唱えたこの素晴らしい大統領は、アメリカ至上主義のもと、最後には暗殺されます。
 あのオバマ前大統領でさえも、2012年の一般教書演説で、「海外に雇用を持ち出してしまう企業ばかりに恩恵を施すことは止めなければならない。アメリカ国内で雇用を創出する企業こそ報われるべきだ。未来を手に入れるための競争で他国を勝利させてはいけない。」と述べました。これを聞いたとき、私は腰が抜けるほど驚きました。「あのオバマさんが・・・」と。
 アメリカに追従して、自らの幸せについて深く考えることのなかった日本は、今後どうすれば良いのか。私は、「感謝」と「共感」だと思います。そして、私たちは私たちの会社がそれを体現していくものと信じています。出自国の政情不安・治安の悪化、教育のレベル、子育て支援の充実で、鹿児島県さつま町を選ぶ日系人の方がいました。教育、お金、インバウンド、医療、そして老後を日本でと考える人までいます。私たちは、ブラジルとフィリピンで人材ビジネスをしていますが、サンパウロで活躍している人たちの多くは、日本で私たちと一緒に働いた人たちです。ものづくりにおいても、デザイン、設計、製造、販売が国を越えて、人も国境を越えて互いに納得性の高い人の移動が始まっています。信頼を基軸に日系人社会に根付いた当社の1年以上の勤続者は約90%、こんな請負会社は考えられないと多くの人は言います。今後、AIを活用した、より満足度の高い雇用を目指し、技術教育も充実させ、出自国に帰国しても活躍できる有為な人材を育てていくことで、この業界での圧倒的な勝ち残りを目指してまいります。

ページの先頭へ