社長のつぶやき

2018/11/29

『今月の一言』(2018/12/01) NEW

 外国人労働者受入れを拡大する「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案(入管法改正案)」は、11月27日夜、衆議院本会議において与党の賛成多数で可決され、参議院に送付されました。安倍内閣はこの法案を今国会の最重要法案と位置付けており、12月上旬の成立を目指しているようです。骨子を説明しますと、まず、人手不足産業を14業種認定します。次に、新しい在留資格の「特定技能(1号)(2号)」の産業毎の受入れ人数を決定します。現状の通り外国人労働者が毎年10%増加するとして、128万人+12万8千人=140万8千人、それにプラス初年度4万7千人の新在留資格で145万5千人となります。新たな在留資格のみを取り出しても、5年後34万人増となり、「特定技能2号」に移行後は家族の呼寄せも可能となり、一気にねずみ算式に増加するものと思われます。
 私たちは日系人と関わり30数年経ちますが、彼らを見てきた経験上、子どもが10歳を超えると多くの人が定住・永住していきます。親にとって出自国は母国ですが、子どもたちにとっては親の出自国は外国になるのです。来日後20年を経過すると新たな縁が日本に増え、ブラジル等に帰国しても外国人感覚になり、老後は子どもや孫に囲まれて生活したいと考えるようになり、日本に永住することとなります。新たな在留資格は、定住・永住を目指したビザですが、受入れる側に覚悟を問いかけていません。受入れ年齢は20歳過ぎがほとんどでしょうが、「特定技能1号」は「相当程度の知識または経験を要する技能」が求められており、山下貴司法務大臣は「相当程度」を「監督者の指示を理解し、正確に業務を遂行することができる、自らの判断で業務を遂行できる」レベルと説明しています。インドネシア、ベトナム等東アジア諸国から来日する青年が大多数でしょうが、二十歳過ぎまで生み育て、コストもかけた出自国に対する思いやりや謙虚さが感じられないのは私だけでしょうか。

 技能実習生の逃亡が増えていると言いますが、韓国においても、今年に入り外国人の最低賃金を上げたことでお金に群がるブローカーが暗躍し、不法滞在が急増しているというではありませんか。中国からの技能実習生が激減しているのも、中国国内の賃金が上昇し、日本の賃金に魅力がなくなったからで、彼らの目線は日本以外のもっとお金が儲かる国に向いています。中米からアメリカを目指す若者たちも同じで、経済的幸せを求め、日系人であってもアメリカやヨーロッパに移動していくのです。格差がキーワードですね。今後問われているのは、日本国民の矜持(自信と誇り)、度量です。外国人が増えていくアパートは、自然に日本人が減っていく。それはなぜか。不動産仲介会社は、「外国人も借りられるアパートはこことここ」と言うのです。日本人はこれを人種差別だと考えません。日本人は、外国籍の子どもの教育が義務化されていないというこんな大切なことを誰も議論しようとしません。特定技能は20代の来日者が中心になりますが、現場では40代中心の日系人の職域と見事に重なります。特定技能にはじき出される日系人の未来についても、誰も議論しようとはしません。技能実習生は全員雇用保険に加入しているのに、雇用期間満了日が帰国日なので、失業保険を受給した人は誰もいない。キャリアアップ助成金の申請を窓口で受け付けてもらえない等、差別していることを区別と置き換え、日本人以外の人たちを周辺化していく。ようやく一歩踏み出した新制度、今までより進化した部分もたくさんあります。外国人の力を日本国の力としてどう生かしていくのかが、今後の日本人に問われていきます。

ページの先頭へ