社長のつぶやき

2018/08/31

『今月の一言』(2018/09/01) NEW

 今年お盆休みを取られたみなさんは、どのように過ごされましたか。旅行を楽しみましたか、それとも実家に帰省しましたか。みなさんも気付いているでしょうが、2~3年前辺りから、高速道路の帰省渋滞が少し短くなっていますね。反対に、海外旅行者は年々増加しています。時代のトレンドが変わりつつあります。グループ会社、アバンセライフサポートの介護施設でも、近頃は九州や北陸の人が入居するようになりました。極端ですが、10年後は故郷をもたない人が急増し、「帰省」という言葉が死語となり、お盆渋滞もなくなるのかもしれませんね。自動運転が普及すると帰省も楽になり、「運転手」という職業は「電話交換手」と同じように死語になりそうですね。飲酒運転の判断基準が変わるのかはまだ分かりませんが、どちらにしても代行運転会社は減少するでしょう。

 私たち人材サービス業界の未来を考えてみます。製造業各社は、海外移転して安い人件費の国で製造するか、我々を使って安い人件費の人を呼び寄せ、日本で製造するのかを選択していますね。どちらにしても「格差」がキーワードになります。経済学者、経済人、政治家の多くがアメリカに留学、MBAを取得後帰国し、社会の主流で活躍しています。アメリカ流資本主義が大勢を占める日本で、公益資本主義を唱えたり、現社会体制を批判しても無視され、話にもならない。戦前の小林多喜二の小説『蟹工船』で代表される格差社会が、終戦後行われた三大フラット政策(農地改革、新円切替、財閥解体)で社会が1億総中流社会になったと思ったら、戦後70年であっという間に格差社会に逆戻り、長いものに巻かれたがる日本人は中流が激減、上と下しかない社会になりつつあります。今回は、全てを破壊して出直す戦争という手段でフラットにするわけにはいきません。我々の業界はどこに行くのでしょう。

 韓国は、失業率が10%を超えました。新興国の中には若年層の失業率が30%以上の国がザラにあり、学歴が高いほど失業率の高い国もあります。教育と社会実態がマッチしていない失業者もたくさん出てきました。
 そこに、「インダストリー4.0」(ドイツ政府が推進し、製造業のデジタル化・コンピューター化を目指す国家プロジェクト)です。まさに「第4次産業革命」が始まろうとしています。18世紀後半にイギリスで始まった蒸気機関の「第1次産業革命」は、人力を石炭エンジンに置き換え、生産性を一気に押し上げました。「第4次産業革命」は、情報技術(IoT)を使って需要予測、作業ロボットが工場内外の情報と連携して物を生産、一気に生産性を上げようとしています。その時、工場、ロジスティクス市場、原材料調達、販売市場で人の果たすべき役割、ひいては働くとはどういうことなのかが問われます。そこには既得権益も、資本も、ブランドも介入することはありません。世界販売年間1,000万台超、世界に冠たるメガ企業、トヨタ自動車グループより、グーグル、フェイスブック、アマゾン等何一つ生産しない企業の方が時価総額が高いのはなぜでしょう。まさに「インダストリー4.0」の前触れ、時代変革の序章としか思えないのは私だけでしょうか。

 我々のビジネスも大きく変わります。安い人件費の地域から高い人件費の地域に人を移動させることで成り立つビジネスは、この先そう永くは続かないでしょう。紹介ビジネスのように、顧客情報の豊富さだけで人の共感を集める時代も終わりに近づいています。次に出てくるのは何か。企業の現在に必要なもの、5年先に必要なもの、事業承継時に必要な人材とは何か、その人に引き継ぐには何年かけて何をしなければならないのか。様々なニーズに応えるには、多様な人材がタイムリーに必要です。一方、途上国、新興国には有為な人材が溢れかえっています。彼らはチャンスに飢えています。自らの人生に納得するまでがんばって終えたいのは、どこの国の誰もが同じ思いです。そこで、人材ビジネスの「インダストリー4.0」が必然的に出現してくるのです。我々は過疎地域に人材を提供しようとしていますね。高齢化した企業等に事業承継の担い手を企業に供給しようとしていますね。今とは違う明日を創り出す会社になりたいと考えています。某製薬会社のコマーシャルにありましたね。「あったらいいな」を形にして送り出す、そんな会社になりたいですね。

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