社長のつぶやき

2018/02/05

『今月の一言』(2018/02/05)

 元日の朝早く、毎年恒例で新聞や雑誌を買い集めます。普段なかなか読むことのない他県の新聞も、この長い休暇期間になると読む気になるのです。お正月版の新聞雑誌は、読み終えるまでに正月4日間かかる程分厚く、割安感があります。知的娯楽として皆さんもぜひ、いかがでしょうか。

 お正月の新聞を読むことで、1年の変化を何となく予想することもできます。例えば、今年はどの新聞雑誌も人工知能(AI)に大きなスペースを使っていました。AIで消える職業1位は、何と知的エリートであるはずの弁護士。過去数十年間の判例をくまなく入力、AIが解析することで人間の弁護士では及ばないほど裁判での勝利が可能になるそうです。囲碁や将棋の世界でも、チャンピオンはコンピュータが当然。中学3年生でプロデビューし29連勝した藤井聡太5段はじめ、プロ棋士のほとんどがAIで学び強くなっているのです。

 AIの進出を受け、新たなビジネスモデルを迫られる企業がますます増えていくでしょう。例えば、私の知り合いの税理士さんはコンビニに特化した会計処理のビジネスモデルをつくり、4000~5000件のクライアントにサービスを提供しています。コンビニは伝票が少なく、仕分けが単純。AIで対応可能にすることで安い顧問料で高収益を上げています。

 言語はどうでしょうか。翻訳ソフトは5~6年前と比べ格段にレベルが上がり、県を特定し方言まで組み込まれたソフトまであります。通訳・翻訳を仕事とする人達はさらにワンステップ深い業務に関わる能力が求められそうですね。

 介護ケアプランを作成するケアマネージャーはプロの見識が問われる職種ですが、ここでもAIが活用できるようです。あるベンチャー企業が10万件以上の介護保険データをAIに記憶させ解析、それに基づいたケアプランを作成させ、実際にサービスを提供する実証実験が始まっているのです。つまり、ベテランの職人技であった上質なケアプランを新人でも作成できる時代が近づいているのです。

 AIとは、機能を分化・深化することに長けたテクノロジーです。しかし機械ゆえの不自由さや問題も露見しています。囲碁や将棋は、事象を分解・細分化させても最善の答えは一つしかありません。では、「幸せになりたい」「安心が欲しい」という欲求の答えは何なのでしょうか。答えは、人によって違います。天気や気分、体調によっても違うかもしれませんね。人が求める答えはそう単純ではないのです。

 安心や幸せとは、時と場合でころころと変わるものです。私は戦後の何もない困窮社会から高度成長経済社会を生き抜いてきましたが、未来に不安を感じたことはありません。若い頃は高度成長のワクワク感で、年金のことなど考えたこともない世代です。しかし、現代は医療も福祉も整い、セーフティネットの生活保護制度も充実した素晴らしい日本にも関わらず、若い人達は将来への不安を当たり前のように口にします。「幸せになりたい」「安心が欲しい」という人間の欲求に、AIは応えることができるのでしょうか。

 当社の業務で、一人で完成する仕事はありません。幸せや安心という心をベースにした経営の下、チームで汗をかき、みんなで完成を目指す統合化ビジネス、AIが追い付けない企業文化の創造、そして「アメーバ経営」を目指しています。

 アメーバ経営とは、京セラの稲盛和夫さんが考案したシステムです。経営者だけでなく社員の皆さんも自分たちの事業売上や経費を管理し、利益と分配に対してしっかり責任を負うことを意味しており、京セラでは、ほぼ全ての社員が利益管理に取り組み会社の内容を理解しています。リーダーは、メンバーと一緒に自分のアメーバでの目標をたてます。メンバーはそれぞれの持ち場、立場で目標達成に向けて努力し、個人の能力を最大限に発揮していきます。その結果、社員は仕事を通じて自身の成長を実感し、仲間と共に目標を達成する喜びを味わうことができるようになるのです。それを繰り返しながら、京セラは経営理念の「全従業員の物心両面の幸福」を追求していきます。私達もそんな会社を目指したいですね。

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