社長のつぶやき

2017/07/07

『今月の一言』(2017/07/07)

 5月下旬、ブラジル人直接雇用モデル(派遣会社採用ではない)実証実験と4世問題の調査の為、経済産業省から3名、日本企業8社の皆さんと一緒に訪伯しました。

 日本の日系4世の受入れ条件は「18歳以下で親の扶養下にある人」のみです。例えば、10年前にリーマンショック時5歳で帰国した4世の人は、日本語力ほぼゼロでも15歳なら再来日が可能です。
一方、リーマンショック時15歳だった青年は10年経てば25歳、日本語が流暢に話せても「18歳以下」にあてはまらないため入国は認められません。

 4世問題は、日系人社会に深く関わっている当社にとって喫緊の課題です。家族の分断は人道的にも決して無視することはできません。行政はもちろん、人手不足の企業にもブラジル日系人社会の現状を理解して頂くために「経済産業省主催ブラジルミッション」を開催したのです。

 現在のブラジル政治情勢は決して良いものではありません。テメル政権が機能を失い、200名超の国会議員が汚職を証言しました。政治も経済も麻痺状態。ブラジルを捨て、家族での訪日を申し出る人が急増するのも当然かもしれません。

 1985年に軍政から民政へと変わった時もブラジルでは同じような事態が起こりました。バブルの序章であった日本へ単身・期間限定での出稼ぎが始まり、1990年の入国管理法改正に至ったのです。

 今回は家族帯同での初来日が多く、ブラジルを半ば捨てた「経済難民」に近い人たちです。家族連れで、間接雇用や非正規雇用、単純労働市場になじまない人たちが多数来日する可能性があり、ブラジルミッションはその危機感から企画されたものでもありました。

 採用候補者が家族帯同の場合は、教育や家族の生活支援、場合によっては3世代同居も勘案した受入れとなり、企業だけではなく行政や地域との協働が求められます。しかし、採用にあたる日本企業や行政に戸惑いがあり、リスクを考えて二の足を踏んでいるのが現状です。

 日系人社会には次なる危機が既に押し寄せています。今年11月から入国管理法が改正、6月には大網が発表されました。下図の赤字が変更部分です。


 予想を上回る大規模な拡大政策に日本の経済界、労働組合、人権擁護団体などの関係者に激震が起こりました。


 上図は、介護技能実習生の新たな受入れ人数枠です。この数字が全産業に適用された時、日本の産業人構成はどうなるでしょう。常勤職員5人の介護施設で外国人受入れ人数枠が最大30人、中小企業の工場労働者でもほぼ日本人と同数以上の受入れが可能となり、管理者も出身国から来てくれるでしょう。来日するのは20~30代前半の人がほとんどです。現在の日系人労働者の平均年齢は40代半ばですが、今後は人種の構成、管理も変わり、営業のスキームも変わっていくでしょう。我々はその時、どんなビジネスを描くのでしょうか。

 社会は大きく変わろうとしています。私たちは、一人一人が「自分の会社が社会で生き残るには何を変えるべきか、自分がどう変わらねばならないのか」を考え、社会と企業が求める変革に沿った事業モデルに向けて行動を起こす時が迫っています。

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