社長のつぶやき

2017/04/06

『今月の一言』(2017/04/06)

 労働者派遣法が施行されたのは1986年。そして1999年には「派遣」がネガティブリスト化されました。つまり人材派遣業・製造請負業は、ほんの30年、厳密には20年足らずの産業なのです。1867年の大政奉還以降の日本の民主主義社会や、1789年に起こった民主主義革命であるフランス革命と比べてみても、歴史がほんの1コマ経過しただけの、まだまだ幼い産業です。

 30年前に成立した労働者派遣法は、専門性の高い人材が流動化することで経済の必要なところに人が集まり、より発展させることができると考えられたルールでした。次第に、運用に制限がかからず強者が弱者を搾取し、より階層化が進むだけのルールになりました。企業が考える競争力強化には賃金の階層化、傾斜配分は欠かせません。派遣業界には労働者の派遣ではなく、違ったかたちで2020年以降も耐えられるビジネスモデルの構築が迫られているのです。

 日本企業の階層構造は図のようなピラミッド型になっています。二次下請以下の2層目、3層目の企業では高齢化のダメージが顕著に出ており、今後も労働者の高齢化、若年層の減少はとどまることがないでしょう。彼らには1層目の業界の繁閑を一身に受ける人的調整能力が求められ、バッファとしての能力(時間的、コスト的な余裕)が高い企業ほど、勝ち残る可能性が高くなります。

 企業は一定の若年労働力が必須です。体力が必要な仕事、繊細な職人職、デザイナーなどクリエイティブな仕事、設計、システムエンジニア等、中高年世代がどれだけがんばっても若者に勝てない仕事はいくらでもあるのです。
アジアの新興国に比べ、日本人はマネジメントや資本集約型の仕事に秀でています。日本と発展途上国の労働者平均年齢は20歳以上の差があり、様々な職業の中で、日本人より効果的な職域の隅々まで海外の若者を浸潤させることで、より効果的な日本人の特性が生かし、活力ある日本を取り戻すことが可能となるでしょう。

 3層目に属するような若手社員の少ない中小企業の生産現場に、海外からの若年労働者を送ることで健全な生産性、活力にあふれた革新企業にブラッシュアップするのは当社の最も得意とするところです。在留外国人の中には家族を持ち定住や移住、さらには帰化を求めている人たちも数多くいます。経営幹部、そして遠い未来に自らも経営者になることを夢見る若い外国人たちが日本の中小企業を事業継承して、リタイア後はオーナーになることも可能かもしれませんね。

 2層目に属する企業は、大手メーカーの繁閑によるコストカットが求められます。それに伴い、請負では多くの企業における雇用の共有化、そして実習生を使ってのコストカットが必須となります。ある程度の規模になれば行政と一緒に職業訓練、雇用保険、緊急雇用(失業対策事業)の組み合わせで1年半くらいは職業訓練と生活支援が可能となり、失業による生活困窮はなくなります。このミニマムラインが1~2万人くらいだと私たちは考えています。

 1層目に属する企業は優秀な海外人材をヘッドハンティングし数年雇用したのち、高度技術者として国内、もしくは出自国にUターン。企業戦略上にも有意義なブリッジ人材の国際環境が主流となっていくでしょう。彼らを企業の未来の重要な担い手として、また出自国の管理監督業務もお願いしていく。 このような仕組みができる時代が遠くはないことを肌身で実感するこの頃です。

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