社長のつぶやき

2017/02/02

『今月の一言』(2017/02/02)

 先月、私はある会議の中で社員に向けて「のちの世代の人たちから『あの時代にアバンセがあったから私たちは今、平穏な生活を送ることができる』と言われる会社を育てたい」と話しました。

 30年前、日系人社会が1000~2000%のインフレ経済の中で塗炭の苦しみを味わっている最中、日本はバブル経済に向かってまっしぐら。「シーマ現象」とも呼ばれた異常な景気の高揚感により、どの企業も人手不足で猫の手も借りたい「猫の手現象」が発生し、人手が余りに余ったブラジルと真逆の現象が地球の裏と表で出現することになったのです。

 製造業と金融業に特化したバブルはそんなに長く続くことはなく、91年のバブル崩壊以後、金融業では総量規制によって縮小、製造業も需要が急速に減少することでこのブームは終いえ、人材ビジネスも人手不足のお手伝いから総額人件費カットビジネスに役割を変えて生き延びることができました。しかし、この総額人件費カットビジネスは正規・非正規・外部労働者の階層化で効果が上がるシステムで、今日に至るまでの25年間で一気に賃金階層化が進み、当社のような業務請負業界は、メーカーや政治が作った仕組みであるのに社会の批判を一身に浴びました。今後、我々が日系人社会とどう歩めばいいのか、新たな共感のモデルを政治も企業も、そして国民も求め続けていますが、未だに納得性の高いあるべき姿は見えていません。

 安倍総理大臣は「50年後も人口1億人を維持する」と首相就任時に表明しましたが、それは出生率2.0が前提の話。1.4の現状では毎年30万~50万の人口減少は避けられるはずがありません。労働力不足は女性や高齢者の労働力化率を上げることで補おうとしていますが、高齢者には消費力がない。男性の所得は消費に使われることが多い一方、女性の所得は貯蓄や子育てなどの再投資に向かうことが多いので、女性や高齢者の労働化率アップのみでは消費力の減衰は避けられそうにありません。
私の持論を今一度申し上げると、外国人を受け入れなければ日本は消滅します。現状においてもその兆候はいろんな面で出ています。

 人材ビジネスは人が目的です。しかし当社が目指すものは、人材ビジネスではなく人を通して企業、そして日本を元気にすることです。1年間で3万件近い休廃業企業(倒産ではない)を再生し、大手メーカーを支える2次、3次下請け企業や地場産業をより元気に、さらには日本社会全体を元気にする会社です。支えるのは日系人だけではありません。日本には、国際結婚当事者だけでも100万人以上います。在留韓国人のみなさんが土木建築業界やパチンコ業界を育てたように、日系人、国際結婚当事者や日系人に専門性の高い職業訓練と日本語教育を施して、従業員として採用→幹部候補→経営者として育てていけば相当量の企業の休廃業、解散を防ぐことが可能になるはずです。

 運転手が足りない、農林水産業に人が来ない、建築土木は?私たちが活躍することが明るい日本の未来を創り出すことになると信じ、これからも頑張ってまいります。

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