社長のつぶやき

2016/10/04

『今月の一言』(2016/10/04)

 蓮舫氏が民進党代表に就任しましたが、自身の国籍問題が火種として残っているようですね。
以前、蓮舫氏が女性誌のインタビューで、「自分の国籍は台湾」と答えたり、「台湾と日本二つのルーツを持っている」と答えたり、「私は生まれた時から日本人です。台湾籍は抜いています。」と言ったり、発言が二転三転しています。
口が上手くて頭の良い人ほど、自らの理論武装に自信があり、この程度は切り抜けられると過信、ところが、上手の手から水が漏れ、あげく釈明が陳謝となり、最後はテレビの前で90度腰を折り曲げる懺悔の姿となるのは、かの東芝、三菱自動車を始め多くの企業、そして近くは北陸の某県の県・市議会議員の姿を見ての通りですね。上手くやろうなんて話はいつまでも続かないものです。
この問題を自民党は静観していますが、以前、自由民主党を割って出た亀井静香氏ら国民新党が公認したアルベルト・フジモリ氏(参議院比例代表公認候補、落選)、この方は日本語も満足に操れなかった上、愛国心があるとは到底思えない人物ですが、出馬を反対する人はいなかったと思います。

 日本の国籍法には、次のように書かれています。
第十四条外国の国籍を有する日本国民は、外国及び日本の国籍を有することとなつた時が二十歳に達する以前であるときは二十二歳に達するまでに、その時が二十歳に達した後であるときはその時から二年以内に、いずれかの国籍を選択しなければならない。
第十五条法務大臣は、外国の国籍を有する日本国民で前条第一項に定める期限内に日本の国籍の選択をしないものに対して、書面により、国籍の選択をすべきことを催告することができる。。
第十六条選択の宣言をした日本国民は、外国の国籍の離脱に努めなければならない。
こう書かれていますが、これに違反して罰則を受けた人を私は聞いたことがありません。
日系ブラジル人に聞くと、ブラジル大使館に行ってブラジル国籍を放棄したいと申し出ると、「ブラジルの法律では国籍放棄は認められない」と言われるそうです。詳しい説明は省略しますが、国籍離脱は相当困難で、まずほとんどのブラジル人は諦めており、帰化したブラジル人は結果的に二重国籍となります。
オリンピックやワールドカップの日本代表選考では二重国籍を認めているのでしょうか。野球のダルビッシュ有投手やオコエ瑠偉選手、陸上のケンブリッジ飛鳥選手を始め多くのハーフ選手が二重国籍ではないかと疑問を持たれた時、我々はどう考えれば良いのでしょうか。

 アメリカは非常に分かりやすい国です。アメリカでは、米国籍保持者であれば、生まれつきのアメリカ人もしくは帰化であってもほとんど全ての職、地位に就くことが可能です。
ヘンリー・キッシンジャーはドイツ、マデレーン・オルブライトはチェコスロバキア、アーノルド・シュワルツェネッガーはオーストリア出身です。
唯一例外となるのは大統領と副大統領ですが、この二人は「生まれながらのアメリカ市民権保持者」となっています。
先ほどのブラジルのように国籍離脱は取得と違い、相手国が応じてくれない限り永遠に二重国籍が続き、日本では公職に就くことも出来ないのは人道的にどうなのでしょうね。
ちなみに、今も多くのイスラム国家は父系血統主義で、サウジアラビア等では日本人がサウジアラビアの女性と結婚して子どもが生まれても、父親がサウジアラビア国民でなければ国籍は得られません。そもそもイスラム教に改宗しない限り、結婚そのものが難しい国です。
国家は、成立の過程で様々な歴史を背負って成立しています。国籍法は出生地主義と血統主義に大きく分かれ、そこからまた国の思いをのせて細分化されていきます。
歴史の重みと国民感情と法律を一元化することが不可能であるなら、基本的なルール作成と、あとは各々の国に住む国民の意志・判断に任せる、労働法で言う国際的なルール(ILO)を管理する団体の設立が望まれます。

 蓮舫氏のように名前だけ見ても明らかに中国系の人だと分かる人に対して、ヘイトスピーチと見紛う差別発言や人格軽視発言、大切な隣国との友好にまで影響することが懸念される無神経無理解発言、そして日本にも出自国にもアイデンティティを持つ日本に住むマイノリティの心情を考えると、ガラスの天井を二重にも三重にも乗っける今回の事案を見て、ダイバーシティ、多文化共生が遠のいていくような、首筋の寒さを感じます。
議員に国籍条項なんて必要あるのかなと思うのは、最大多数の意向に沿わない議員なら、次の選挙で落とすだけのことだからです。
それが議会制民主主義なのだから、今国会においても政策はどこへ行ってしまったの、ということだけは避けてもらいたいものです。

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