社長のつぶやき

2016/04/05

『今月の一言』(2016/04/05)

 群馬県大泉町に廃屋となっている「ブラジリアンプラザ」、当社はこの建物に新たな命を吹き込み、日系人逆移民のモニュメントになってもらおうとの計画があります。
それだけではなく、下図のような機能も持たせ、日系人再生の小さな一歩を踏み出そうとしています。近未来には、日系人社会にとってなくてはならない、大きな足跡を残してくれるものと期待している事業です。

 先日(3月18日20時~)、NHK総合(東海北陸7県地域放送「金とく」)で、日本で暮らす日系南米人をテーマにした番組が放送され、私も少し出演させていただきました。
その中で、日系ペルー人の女性が「私たちはやりたい仕事より出来る仕事で生きている。」と述べました。
私は、「3千人近くいた日系人従業員が、半年ほどの間に650人になった。派遣先メーカーの社員は一人の解雇もなかった。家があり、教育を受け、草むしりをしていても雇用調整助成金をもらった日本人。家が無く、教育の機会を与えられず、派遣ゆえ雇用調整助成金をもらえなかった日系人」など、さまざまな話をしましたが、ほとんどが放送してもらえなかったことが残念です。

 私は青年の頃、ノーベル文学賞を受賞したパール・バックの長編小説『大地』を読みましたが、最近、彼女の『母よ嘆くなかれ』を読み、知能の発育が困難な子どもを持つ親の絶望的な苦しさや悲しみを乗り越える示唆があったので、少し述べさせてください。『母よ嘆くなかれ』では、悲しみを乗り越え希望を抱くには、「あるがままのものをそのまま受け入れる」「これが自分の生活なのであり、私はそれを生き抜かねばならないのだ」と書いています。「なぜ自分だけがこんなに苦しい目にあうのかなどと、自分中心に物事を考えたり行動したりしている限り人生に希望も未来もない。」と言い、パール・バックはその先の見えない苦しみや悲しみから立ち上がります。「自分の苦しみは自分一人のものではない。苦しみの中で自分は人とともにあるのだ。」ということに目覚め、やがて同じ苦しみの中でもがく人々と手をつなごうと、積極的な姿勢に変わっていきました。そして、知能の発育が困難な自分の子どもの生を、人類にとって何らかの役に立つものにしようと決意したことで、彼女の心の世界は社会的にも大きく広がり、ノーベル文学賞を受賞するほどの大文豪になっていったのです。

 私は、当社の最大のミッションは、身近な不幸を取り除くビジネスとして育てていくことだと考えていますが、先日の会議で、ある市の人手不足が議題に出ており、どうやって人を集めるのか、運転手はどうしようかと社内が侃々諤々の議論でにぎわっていました。
隣県の日本語学校からその市まで2時間近くをかけ通ってもらうというのです。なぜそんなことをしなければならないのか。その市について調べてみると、なぜ人材不足なのかが分かってきました。
人口は平成18年65,700人から平成27年62,100人へと減少しています。同県の大都市や工業都市に人が吸い取られ、人口減少が下げ止まることはありません。
工業出荷高の約40%が食料品製造(特に水産加工)、この産業は成長率は高いですが、付加価値が低い産業で、その市の工業出荷額は県内で2位である一方、県民所得は8位と県内主要都市で最低順位とまさに選ばれない町1位になり下がっています。

 我々身近な不幸を取り除くビジネス企業(アバンセ)は、「町を再生するためにはどうすれば良いのか」から考えなければなりません。
留学生と就学生資格が一本化されて久しいですが、日本語学校は就職、進学共に可能なツールで、地元に定住・永住が可能です。
食品は季節によって繁閑の差が大きく、全ての人が定着しても困る産業ですので、当社がたくさんの企業に参加を募り、雇用調整協議会を立ち上げることが出来れば、季節毎に忙しい企業に重点配分も可能、人件費が変動費になります。
企業も市も派遣会社も困っています。みなさんの困りごとを解決して、地域も企業も育つ支援スキームを作成する。その仕組みに沿って粛々と作業をこなす。この二つの流れを根付かせることで町を、企業を再生する。アバンセの未来はそんな準公益企業になりたいと私たちは考えています。

ページの先頭へ