社長のつぶやき

2014/07/02

『今月の一言』(2014/07/04)

 建設労働者が足りない。
政府は、人手不足対策の一助に、来年度から2020年度までの緊急措置・時限的措置として、外国人技能実習制度(特定活動の在留資格)の大幅な緩和を発表、実習の名を借りた労働ビザが始まります。

 技能実習制度の拡充と適正化として、
・元技能実習生を「特定活動」で2~3年就労できるようにする
・「優良な」監理団体・受入れ企業に限定する
    ←「優良」=不正行為なし、技能実習生を超える賃金
・「技能実習を上回る水準の監理」体制をとる
    ←技能実習制度の枠組みを前提としており、屋上屋を重ねる制度を創設
・雇用先の移動を自由にする
    ←移動回数・地域・所属企業等に制限は?
・近隣の職種での就労も認める
    ←飛ばし、二重派遣、労働者供給は?

技能実習拡大案の提案
(6月10日、第6次出入国管理政策懇談会・外国人受入れ制度検討分科会報告)
*拡充策
・技能実習期間の延長、再技能実習―優良な受入れ機関に2年程度
・受入れ人数枠の拡大―人数枠の細分化、優良な受入れ機関に人数増
・2号移行対象職種の拡大
 ―自動車整備業、林業、惣菜製造業、介護等のサービス業、店舗運営管理等を追加

*適正化策
・分野や修得状況ごとに賃金水準のより具体的指標を定める
・罰則の整備、不正の程度に応じて団体名等の公表
・送出し機関の適正化のために二国間協定等の締結等による担保を図る
・技能実習2号修了時等に、技能評価試験
・法令に根拠のある組織を創設―JITCOの体制強化?

 実に多くの受入れ拡大項目が並べられました。
厚生労働省がまとめた5月の職業分類別有効求人倍率(実数、パート含む)によると、建設躯体工事は6.52倍で、日本人の嫌う特定の職種についてはさらに凄まじい人材の払底状況です。
なぜこれほどの人手不足に至ったのか。



 前述の図1~3を見ても、この20年余りで家族の包摂感が弱まり、家庭が子育ての場、教育の場ではなくなりつつあることは明らかで、3K(きつい、汚い、危険)仕事を忌み嫌い、若者が刹那的な生き方を選ぶ土壌を醸成しています。
日本には働く人は潤沢にいるが、働きたい人がいない。それならば、外国人を呼ぶしかない。そこで入管法改正です。


 労働ビザを解禁し、特定の職種に数量枠を決めて受入れてはどうかという議論は葬られ、今となっては世界のどこにもない、低賃金で拘束力の強い、国連でも人権侵害と断じられた実習ビザを拡大解釈、いびつな思惑が見え隠れしています。

 来年は、日本が外国人労働者を本格的に受入る第一歩として記念すべき開国元年となりますが、戦後の在日朝鮮・韓国人、30年ほど前から始まったインドシナ難民、日系ブラジル・ペルー・フィリピン人の皆さんへの対応を考えても、日本人はそれほど多文化適応能力が高い国とは言えません。
リーマンショック後あれほど騒がれた非正規労働の日系人人権問題を今は議論する人もいない。
今一度、共生に向けた検証が必要です。

ページの先頭へ