社長のつぶやき

2014/06/03

『今月の一言』(2014/06/03)

 5月17日土曜日、刈谷駅前の刈谷市総合文化センターでミス日系コンテストが開催されました。
私も主催者に招かれ訪問、出場者に「お父さんがアバンセで働いているよ」と明るく答える女性もいて、楽しいひとときを過ごしました。
数人と話して、工場の夜勤明けで駆け付けた人、土日だけ別のアルバイトをしている女性等、ダブルワーク、トリプルワークを当然のこととして答える彼女たちの現実を垣間見、少し考えさせられたので一言。

 日本を代表するT社の平均人件費は800万~900万円、一次下請は700万円前後、この二つのカテゴリーで働く日系人は、リーマンショック以降減少しています。
日系人が増えたのは二次下請の社員の平均賃金400万円、三次下請の平均賃金300万円クラスと、食品加工、弁当屋等、労働生産性の低い日本人が集まりにくい産業でした。
これらの産業は、コストや繁閑とともに労働力の増減対応が求められる産業でした。
長期滞在が保障された日系人と、期間が限定された技能実習生の棲み分けが出始めました。

 大きく様変わりした日系人地図、そこには来年から大きく制度変更される技能実習生を意識した企業戦略が見え隠れします。
派遣会社から見て、以前の製造業のみなさんは少しゆとりがありました。
社会に役立つものやサービスを創り、育て、その成果を社員や我々外注業者にも分かち、みんなで幸せになろうとの思いが伝わってきました。
だから我々もがんばった。
しかし、企業間の系列が分断され、株主に事業主と縁もゆかりもない人が参加、本来の事業の理念より、金融商品としての会社にしか関心の無い人たちが経営に口を挟むようになり、事業の目的は金融商品としての企業価値を上げることにすり替わっているのが今の企業経営です。
人を使って苦労するより、内部留保を高めて企業価値を上げ、企業の売却、M&A、まさにアメリカンスタンダードが経営の主流になったのです。

 人間は群れる動物で、よほどのことがないと群れを離れ個体で動くことはしません。
数%は落ちこぼれ、2%前後は新天地を目指すというのはDNAに本来組み込まれているようで、移民国家アメリカは、その気質が遺伝されています。
アメリカ人は弱音を吐かない。
定年後家を売り、キャンピングカーで全国を回る。
周囲の目をあまり意識しない、疎外感やトラブルがあっても、あまり精神的ダメージを受けない。
未知なるものへの飽くなき好奇心を持って、リスクより「夢とチャンス」を信じ、何かを達成するため必死に働く。
儲けた後はご褒美の人生を楽しく過ごす、それが人生のあるべき姿だと考えるのが移民国家アメリカの姿です。
日本に馴染む文化なのでしょうか。
外国人を受入れることは、労働者としてのみではなく、生活者として受入れることで、教育、医療、介護等、全てで受入れることとなります。
日本にその覚悟があるのでしょうか。

 単純労働市場への技能実習生は、滞在は1~3年、今後は5年(?)とあくまで期間限定、特定の産業が人手不足の時だけ手伝ってくださいというビザ。
一時滞在者として日本社会に貢献します。
しかし、本来の移民は先ほどのアメリカンドリームを目指す人たちです。
2%の人たちは、生まれ育った地で安泰な生活より、自分の人生の全てをかけて夢を追いかける、日本人とはかけ離れたDNAを持っています。
5~10世代先には、日本人のDNAも移民型に進化するかもしれませんが、日系人30万人受入れ程度であたふた面倒くさくなって、無関心の同化をきめこむようでは、移民受入れの拡大は時期尚早と言わざるを得ません。

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