社長のつぶやき

2013/04/02

『今月の一言』(2013/04/02)

 昨年から今年にかけ、大きく雇用のルールが変わりました。
一つは労働契約法、次に労働者派遣法、そして今月から変わった高齢者雇用安定法の三法です。

 男女を問わず、パートであっても、通算5年を超えると65歳までの無期雇用が求められ、有期労働契約の契約満了時に労働契約が更新されるものと期待する合理的な理由があれば、雇い止めが出来ません。
また、有期契約労働者(パート、期間工他)と無期契約労働者(社員他)との間で、不合理な労働条件も禁止です。

 派遣契約も「親企業(派遣先企業)の正規の従業員とほとんど差異のない形で労務を提供し、派遣先企業との間に事実上の使用従属関係が存在し、しかも企業としての独立性を欠いていて、派遣先企業の労務担当の代行機関と同一視しうるものと認められるときには、派遣労働者と、派遣先企業との間に黙示の労働契約が認められる」と、派遣先企業にも共同責任が問われる判決事例も複数出ています。

 原発事故の除染請負、個人請負の運転手、工場のライン請負etc. 偽装請負議論も今さらの感がありますが、改正派遣法では、請負契約が違法であることを知りながら、派遣労働者を受け入れている場合、派遣先企業が派遣労働者に対し労働契約を申し込んだものとみなします。
子会社から親会社への派遣は、子会社従業員の8割以内となり、それに悪乗りした大手派遣会社が、「出資比率を変えれば実態は変えずともOKですよ」と営業しているのは周知のとおりです。

 波間を漂う枯葉のごとく我々人材ビジネスは、2%成長を目指す日本の成長戦略(アベノミクス)にどんな形で貢献できるのかを少し考えてみます。
グローバル競争下で求められる人材戦略は三つ程ありそうです。

 一つ目は、人材のマッチングスピード。
欲しいときに欲しいスキルの人材を適正なコストで調達、メーカーが人材不足やスキル不足で受注や開発のビジネスチャンスを逃さない応援です。
NECさんが携帯電話事業から撤退しますが、協力業者のリストラがマスコミ等で話題になることはありません。
個別の企業に負荷をかけない仕組みはないものでしょうか。

 二つ目が、リスクシェアリング。
年収700万円の人が総額人件費で1000万円、10年で1億円、中高年者にはこれだけのコストが必要となります。
その多くが間接部門の管理、事務部門です。
パート等非正規労働者も今後はリスクとなります。
どんな場合も企業経営のリスクにならないよう、盤石な人件費の変動費化対策の再構築が求められます。

 最後に、使用主と労働者、二者間に雇用主が入った三者間関係の意義、機能について考えてみます。

 東日本大震災で漁民の多くが被災し、2年を経た現在も失業、住民は口を揃えて、「今までやってきた仕事に戻りたい」と言っています。
復興需要の建設関係は、求人倍率5~10倍、工期もベタ遅れで、予算の消化も儘ならない。
社会福祉の介護・医療は、どこへ行っても人手不足、介護施設・医療施設も県外移転を考えざるを得ない程人手不足は深刻です。
ここに、労働者や雇用主とは違ったもう一つ別の機能が必要となります。
広く地域や国を越えた戦略的なアンバランス調整の機能です。解雇と採用を繰り返すと必ず人間が劣化していくことを、我々は経験上理解しています。
水産業も建設業も、さまざまな業種・産業も、雇用主は一定で、使用主だけをシェアすることで、日本全国、もっと大きくASEAN全体で満足度の高い仕事人生を全うすることが可能となります。
今回、津波に流された企業に仕事もないのに助成金で労働者を固定化、広い地域での同業種間の水平移動、さまざまな職種間の水平移動が行われず、マッチング不全、そして労働者も劣化しました。

 企業がグローバルな国際競争に打ち勝つには、労働力の円滑な移動は不可欠ですが、賞味期限切れの派遣請負システムで対応できるものではありません。
現状を打開するには、大きく三つのスキームがあります。
①事業の移転 ②組織の移転 ③人事の移転
①の相続、事業承継も含めた大きな移転から③のパートの共有化のような小さなものまでさまざまな手法が案件毎に出てきます。

 グローバル化は、多文化適応能力が勝敗を決します。
日本は、日本人の顔と出自に最も価値があると考え、日本人を強くしようとしますが、私たちは、日本のために必死に働く人が日本人になり、改革を牽引することで、日本の改革のスピードが上がると考えています。

 アウトソーシングビジネスも、進化のスピードが速くなっています。
我々は、与えられた課題が難しければ難しいほど進化し、対応力もスピードも上がってきています。
アベノミクスを体現する企業の一つとして、今後ともみなさまと一緒に成長してまいります。

ページの先頭へ