社長のつぶやき

2013/01/08

『今月の一言』(2013/01/08)

 謹んで新年のお慶びを申し上げます。

 日本も、アメリカも、お隣の中国、韓国も、新たな体制のもと新年を迎えることとなりました。
厳しい経済情勢の中で難問山積ですが、着実に未来に向け一歩ずつ踏み出して行かねばなりません。
私たちが構造改革を目指したのは一昨年で、今年で3年目になります。
遅々として進んではいませんが、いくつかの萌芽は見えてまいりました。

 リーマンショック以降、私たちは再生戦略を考え、未来の成長戦略、そして成熟した国、日本のあるべき未来戦略として、民主主義国家イギリスを参考にしました。
まず、1990年以降、日本に対する海外からの直接投資が日本の総資本形成に占める割合はわずか1%。イギリスでは、外資による投資が国内総資本形成に占める割合は10%を切ることはなく、多い年は40%に達しています。
要するに、日本は経常収支で稼いだ資金を海外に投資しているのに対し、イギリスは経常収支の赤字を補填する以上の海外からの直接投資と証券投資を国内に呼び込み、それを海外に投資しているのです。
日本国内で外資に魅力ある市場を提供し、アジアを始めとした日本ブランドの収益性の高い付加価値案件に投資してもらうための仲介者が、今は商社と銀行程度しかありません。
イギリスは、銀行も自動車メーカーも大手のデパートも外資に渡しつつ、自らはEU、米国、アジアに積極的に投資しているのが実態です。
我々はここに活路を見出そうと、株式会社NCネットワークへの出資と私の役員就任、そして旅行会社との連携、通訳・翻訳ネットワークの構築を皮切りに、日本市場の見える化を進めていきます。

 先日、中学から不登校で、働いた経験もない17歳の子どもを連れて面接に来たお母さんが、「正社員でなければ」と言いました。
「まず、アルバイトから働く経験を積ませたら」と勧めると、色をなして、「子どもの将来を考えると、絶対正社員ですよね。」と言う。
正社員→勝ち組、非正社員→負け組というレッテルにしばられ、身動きがとれない。
非正規が36%を超え、4割になろうとする国。
労働契約法、労働者派遣法が厳格に運用されると、派遣労働者よりもっと大きな労働市場全般に影響が及ぶことでしょう。
規制強化の根底にあるのは、正社員こそが本来の雇用で、その人たちを保護すればよいと考える正社員主義にあり、それ以外の働き方を否定するから、少ない正規職を目指すイス取りゲームとなり、格差をつくり出しているのです。

 経営者協会のアンケートによると、65歳までの継続雇用の義務付けで、若年社員採用減を明言している会社が50%近くあります。
70歳定年も視野に入ってきましたが、有権者に占める65歳以上の割合は、2009年の28%が、2050年には46%に上昇、一方、35歳未満は11%から7%に低下すると推計しています。
それに輪をかけ、投票行動は年齢と比例すると言い、25歳の人は約25%しか投票に行かず、70歳の人は約70%投票に行くそうです。
議員も若者対策には力が入らず、高齢者のイスが既得権で守られ、若者がはじき出される構図が出来上がっています。

 正社員になりたいのは安心が欲しいからと考えると、正すべきは成長戦略ではなく、成熟戦略であり、不安の解消、安心社会なのでしょう。
ここに答えを見つけるのが、我々の産業なのです。

 中高年者が中核を占める自動車産業やケミカル産業の技術者は、日本では溢れていますが、途上国では払底人材です。
彼らが企業から退出してくれれば、若者は一気に正規化に進みます。
私たちは、海外子会社において積極果敢に労働者移転を進めてまいります。

 当社は、今年からメガソーラー事業に取り組みます。
昨年の東日本大震災以降、脱原発が叫ばれ、原子力発電所が次々停止、全国50基の内、福井県大飯原発の2基しか現状は稼働していません。
電力不足を火力発電でカバーするため、燃料の輸入が急増、年間で3兆円以上のコスト増、貴重な外貨が資源国に流れたとされます。
多くの電力会社は値上げを申請、製造業はコスト高で海外移転に軸足を移さざるを得ず、産業空洞化がより進むと予想されます。

 太陽や風力などの再生可能エネルギーは、水力を除くと全発電量の1%に過ぎません。
しかし、3年前の原子力発電所の発電量は全体の30%、今後5年や10年でマイナス分がカバー出来、再生可能エネルギーが主要電源になることはありません。
ドイツは、再生可能エネルギーが20%を超え、原発より多く、最終的には50%超を目指しています。
日本は、2020年までの累積で30兆円近く投資して、再生可能エネルギー市場を拡大、風力、太陽光、地熱発電等で比率を26%にまでもっていこうとしています。
私たちも、メガソーラー事業、そしてバイオマス発電事業に参加、再生可能エネルギー市場には、オペレーション、メンテナンス等、未開拓の広大な労働市場が眠っており、我々は確実に成長が約束された市場に出て行こうとしています。

 本業の業務請負は、ほとんどの請負業者が未来を描けず苦しんでいますが、マーケットはどんどん広がっています。
先ほど申し上げた再生可能エネルギーもそうですが、サービス系産業は今後とも人手不足感は拡大の一途でしょう。
今年1月1日の人口推計値で、20歳は122万人、出生数は昨年1年で103万人ですから、今後20年間、若年社会参加人口は毎年1万人ずつ減っていきます。
先ほど述べた若年労働力11%が7%になる裏付け数字です。
世界最先端の高齢化国は、若年労働力を渇望しています。
しかし、国内には弱体化した無気力な若者が大多数、NCネットワークに加盟の15000社企業にこれからアンケートをとり、成長企業の人材戦略を具体的に提案していきます。
英語ができて図面の読める人材を今後3年間で200人増やしたいという企業もおられ、どんどん応援していきたいと考えています。

 一方で、社内失業も増加しています。
内閣府の調査によると、昨年9月の推計では、「企業内で失業状態にある社員は、465万人にのぼる」とのことです。
ヨーロッパでは、失業者のスキルアップに政府が取り組み、「積極的雇用政策」を拡大、一方、日本は社内失業者を「雇用調整助成金」を出し、雇い続け、企業を疲弊させていった歴史があります。
リストラ請負はものすごく大きなマーケットであり、社会的要請でもあります。
中小企業では、年間8万社が従業員の高齢化、後継者不足で会社が廃業しています。
倒産ではありません。企業は苦しんでいます。
今後とも日本の「正社員主義病」が簡単に治癒するとは思えません。
ワークシェアリングが進まない、均等待遇が進まない、女性の役員がいない、外国人や障害者の正規労働者がほとんどいないのを見ても明らかです。

 大企業1社で雇用を約束出来る時代は終わり、複数の企業で雇用を安定させる時代が来ています。
今のままで、今後とも中小企業に若手人材そして高度人材が潤沢に集まることはありません。
したがって、基盤人材の無い中小企業は廃業に追い込まれ、国そのものが疲弊していくことでしょう。

 労働力の外部化と若年外国人の大量移入が最も大切なことは、誰もが分かっているのに言い出せない。
アメリカ、イギリスやフランスのように、外国人が中小企業を支え、成長させ、子孫をその国の愛国者として育て、末永くその国を支えていく。
そんな時代が来ています。

 多弁を弄しましたが、今後も職員一同一丸となってお客様満足度を上げるよう努力してまいりますので、変わらぬご支援ご愛顧を賜りますよう、お願い申し上げます。

ページの先頭へ