社長のつぶやき

2012/03/06

『今月の一言』(2012/03/06)

 下記の文章は、私も参加している日系ブラジル人の互助団体NNBJが、今年2月、内閣府に提出した請願文の要旨です。
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 「私たちは2009年2月に駐日ブラジル大使館に結集した日本各地のリーダーによって新設した在日ブラジル人を代表する初の全国組織、全国在日ブラジル人ネットワーク(NNBJ)と申します。
この3年間、駐日ブラジル大使館と密に連絡を取り合いながら、ブラジル人コミュニティの組織化を図ってきました。

 この度、日本政府がポイント制による高度人材の受け入れを検討していることを受け、この優遇制度を含めた出入国管理政策に関する私たちの意見を簡潔に述べさせていただきます。

 ブラジル出身の日系人による日本の経済・社会への貢献度は計り知れないほど多大なものであり、ポイント制による高度人材の導入が、移民の「質」や「価値」に関する安易な評価や比較、そして移民の「優劣」による「序列化」につながらないことを願います。
他方、すでに日本に在住するブラジル人の中にも、学歴、職歴、日本語能力の面で、「高度人材」に値する人材が少なからず存在し、その多くはより専門的な熟練労働に就くことを望んでいます。

 しかしながら、「日本社会への適合化プログラム」が未だに手薄な状態は日系人に限らず、外国人と日本社会向けに対策を打つべき最も重要な政策と考えています。
日本語教育のみならず、日本人と外国人のお互いの生活習慣から商習慣に関する「違い」と「同じ」を明確化したノウハウを広めることで、相互理解が促進され、より安全で発展性のある日本社会を築きあげることが見えてくるのではないでしょうか。
同じく、製造業に従事している日系人を含め、在住外国人は男女問わず、年齢を重ねるに連れ、やがては職場を失い、生活保護に頼らざるを得ない状況に追いやられるケースが少なくありません。
単純労働者だからといって能力がない訳ではなく、手に職をもつ訓練を受けるチャンスが様々な問題で整備されず、単純労働者に甘んじざるを得ないのが現実です。

 高度人材の受け入れやポイント制導入の結果がどうであれ、今後も引き続き、日本に在住するブラジル人をはじめ、外国人の存在と彼らに対するフレンドリーな政策が持続・強化されることを要望いたします。」
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 私は、1986年から日系人業務請負ビジネスを行っていますが、90年の入管法改正は外国人労働者の受入ではなく、凄まじいインフレで苦しんでいるブラジル在住の日本人及びその子弟を救済することが主目的のビザであったはずです。
名前は申し上げませんが、ブラジルの日系人連邦議員や有識者は、こぞって日本の入管法改正は自分たちの成果だとおっしゃっていましたし、日本の多くの政治家は、海外に住む同胞の救済だと様々な場所で発言していました。
人道的なビザであるなら、北海道や東北から名古屋に来た出稼ぎは、リーマンショックで解雇され北海道に帰っても、また忙しくなれば名古屋に戻れるのに、日系人は、解雇されブラジルに緊急避難して時が経っても、名古屋に戻れないのはなぜでしょう。
日本人は、派遣労働者が激減、直接雇用が増加しているのに、日系人の労働市場はどんどん狭まるのはなぜでしょう。

 海外に住む同胞の救済目的ビザであったのが、どこかですり替わり、ある時期から日系人は外国人の単純労働者で、排除すべき人種として扱われたところに日系人の不幸があります。
「無理が通れば道理が引っ込む。」日本政府のこじつけ、屁理屈に、日系人が振り回され、希望も生きがいも持てない貧民層が広がっていきます。

 ブラジルの日系人のおばあさんがよく言うのは、「私たちも親を捨ててきたんだから仕方ないよね」。
自らの運命・宿命と捉え、起こるべくして起こった社会の必然と考えることはありません。今後ともより一層付加価値の低い工程(組立検査)の海外移転はとどまることはないと予想され、熟練度の低い労働の市場価格(賃金)は大幅に低下、スキルの高い労働者との賃金差は広がることになります。
一方では、医療、介護、一次産業、地場産業等、様々な分野で圧倒的な人手不足も予想されます。

 職業訓練、適応能力をつける異文化教育、そして日本語教育が行われれば、多くの外国人が地域に根付き、次世代は地域の人として育ちます。
彼ら日系人が求めているのは、同情ではありません。
自分たちの人生の重苦しさを理解してほしい、そして、支え合え合う仲間が共感し合える連帯と未来を切り開く職業能力がほしいのです。

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