社長のつぶやき

2011/12/06

『今月の一言』(2011/12/06)

 日本では、オーバーステイの外国人が働くことは出来ません。
労働者供給事業も基本的に禁止、労働者派遣事業も制限があり、請負事業も決められた要件整備が必要であることは、少なくともこの業界に関わる人は皆知っています。

 しかし、この法律が必ずしも厳格に運用されているわけではないことも、ほとんどの業者は知っています。
法網が荒いと、新たな網がお金を基準に構築されていき、某大手新聞社の最高実力者が「俺は裁判に負けたことがない」と言って最高の弁護士を10人雇ったように、法律も倫理も関係なく、正義は金を通じて新たに生まれていきます。

 私たちの業界も、法律を規範と考え運営する業者と、お金を規範と考え運営する業者とに分かれますが、単純に支払い能力のある企業と、支払う能力のない企業に分けただけ。
働く日系人も、勤める会社の処遇は、努力以上に採用した企業がどの位置の企業かという偶然にすぎないと皆が知っています。
悩ましいことに、お金を規範と考える企業が善意で人道的な配慮をしているように見え、コンプライアンス(法令遵守)を基軸にした企業が非人道的な企業に見えることが多いのはなぜでしょう。

 大企業に人材を派遣している事業者は、請負単価が高いのでコンプライアンスを維持できますが、大企業ほど様々な壁があるため、日系人との関係性は弱くならざるを得ません。
中小企業をクライアントとする中小派遣事業者は、請負単価が安く、コンプライアンスを維持することは難しいですが、ホスピタリティと、コンプライアンスを無視した手取賃金で彼らと関わっていくので、法律との関係性は弱く、それを補って余りある信頼や絆でつながっています。
その結果、違法業者ほど日系人の命を支えるヒューマニストになっていく現実があります。

 大企業の外部労働者は、構造的に内部化されません。支払い能力の弱い中小企業は、そもそも階層化の概念そのものが無いので、簡単に人材が内部化されていきます。

 内閣府参与の湯浅誠氏は、日本は「すべり台社会」だと言いましたが、すべり台はスロープで、努力次第で這い上がれるのが日本社会。日本に住む外国人にとっては階段、それも段差が高く、壁のように這い上がれない階段です。

 三重県松阪市では、市に住所を有する外国人にも住民投票権を付与するという条例案に、市民から反対意見が相次いでいますが、外国人だからという理由で住民自治への参加も出来ず、這い上がれない日本で、外国籍の人たちと私たちはどう向き合えば良いのでしょうか。

 法律を守り、命を支える。
一見相反するこの命題に答えを見つけない限り、我々日本人は、少子高齢化の日本で安心感のある未来を描くことは出来ません。

 当社は、国籍を問わず能力で評価しており、常務は外国人、事業部門も外国人が活躍しております。我々の海外進出支援ビジネスは、まだ緒についたばかりですが、ブラジル、フィリピン、中国、タイは着実に成果を出しており、クライアント企業様の明るい未来を応援しています。

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