社長のつぶやき

2011/10/04

『今月の一言』(2011/10/04)

  • 図:総人口・高齢化率の推移図:総人口・高齢化率の推移
 当社は、9月が決算月で、先期も無事に終えることが出来ました。
これもひとえにステークホルダーのみなさまのおかげと厚く御礼申し上げます。

 先日、当社の営業所で起こった事件です。
日系ブラジル人従業員が、深夜1時頃、眠れないので近くを散歩中、女性から声をかけられました。
一般的に、ブラジル人男性が日本人女性に声をかけられることはまずありません。
その男性も、十数年日本に在住して初めての経験でした。
女性は、最初彼を日本人と思ったのが違うことに気づき、彼に違和感を覚え、彼を避け近くのコンビニに入りました。
彼も後からコンビニに入り、女性はそこで警察に電話をして助けを求め、男性はその県の迷惑防止条例違反で現行犯逮捕、工場は解雇され、県外に追放、女性には慰謝料を支払うことになりました。

 日本と違い、ブラジルの刑務所は無法地帯で、何が起こっても誰も守ってくれない場所であることはみんな知っています。
刑務所に入れるぞ、認めれば科料・慰謝料ですぐ出られるぞと言われれば、普通の人間であればほとんどが罪を認めることは、海外事情に通じている人であればすぐにわかります。

 私たちが心配するのは、「ラーンド・ヘルプレスネス」(間違って学び取った無力感)、助けて助けてと言っても、誰も助けてくれない。
それどころか、「どこかに行ってしまえ」と日本側が対応することで、本来身に付けなければならない自分の身を守るスキルも意欲も育たず、戦う能力開発にも無頓着な、まさに生きているだけの人間になっていくことです。
8月にイギリス・ロンドンで起きた暴動で、700人余りが逮捕されましたが、うち20歳以下が51%、未成年者の40%に有罪の前歴があったそうです。

 日系人の親が行き場所がないと思い込み、子どもの出自で子どもの未来が決まり、日本社会の主流に参入できないと考えたとき、失うもののない彼らはどんな行動を起こすのでしょうか。

 近頃、日系人で入れ墨をする人が増えています。なぜ、生き方の幅を狭めるようなことをするのでしょうか。
可能性のない社会と感じた時、自らのコミュニティの中で埋没しない存在感を誇示したい、まさに劣化した貧民街(ファベーラ)における自己防衛のように思えます。

 私は貧困者支援を20年近くやってきましたが、貧困の固定化は、長い目で見ると必ず、中所得者や高所得者に負荷がかかるようになることを実感しています。
生活保護、医療扶助しかり、教育懈怠、養育放棄による将来コスト、様々な形で正常な社会生活を営んでいる人たちの権利を侵害していきます。無関心を装うことは決して一般社会のプラスにはなっていません。

 日本は高齢化がより一層進み、少子化が顕著となっていますが、消費する人が歳をとり人口が少なくなるのに、企業には膨張本能があり、業績目標をマイナスにすることはありません。
目標と実績のはざまで弱者と言われる障がい者・外国人・女性・高齢者が傷ついています。
これだけ社会批判を受けても、非正規比率は40%近くで、昨年より上昇、この乖離を埋め、痛みを弱者に押し付けない、社会と共感性のあるビジネスモデルが今求められています。

当社の未来に向けたビジョンを、来月からお話しさせていただきたいと考えております。

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