林隆春の言いたい放題

2011/08/02

『今月の一言』(2011/08/02)

  • 図1:ブラジルの人口ピラミッド<2011>図1:ブラジルの人口ピラミッド<2011>
  • 図2:日本の人口ピラミッド<1970>図2:日本の人口ピラミッド<1970>
 7月15日から24日にかけてブラジル出張で日本を留守にしましたが、昨年より一層経済は急成長、加熱とも思えるほどの熱気を間近にいて感じました。

 人口ピラミッド(図1:ブラジルの人口ピラミッド<2011年> ・ 図2:日本の人口ピラミッド<1970年>)を見ても、日本の1970年代とよく似て20代~40代前半が分厚く、今後10~15年、消費も生産活動も日本のベビーブーマーが日本の高度成長を支えたように彼らがブラジルの明るい未来を創り出していくのでしょう。

 平成23年6月23日、当社のトータルコーディネートで「第1回 ブラジル最新経済セミナー」(在日ブラジル商業会議所主催、大阪商工会議所共催)を開催しました。
150社余りが来場され、多くの企業が人口ピラミッド等をもとに新たな有望市場としてブラジルを考えていることもよく分かりました。
それを裏付けるように、ブラジルのジェトロ、サンパウロ日本商工会議所、日本文化協会等に訪問調査する日本企業も急増しており、南米経済の中心地サンパウロがますます魅力のある都市へと磨き上げられています。
当社も20年以上営業所を置いていましたが、今月から子会社化、ブラジル進出企業への進出支援サービス(トップ人材から一般労働者に至るまで)を日系社会150万人の人たちと一緒に行うことになりました。

 私はハンディキャップ社会に関心があり、ファベーラ(貧民窟)も今回訪問しましたが、日本の貧困層と心の置き所が大きく異なっていました。
日本の貧困者・ホームレスは、友人や子どもと良好な関係を持っている人はあまりいません。
彼らを見る社会の目も温かいとは言えず、社会との関係性は限りなく弱くなっています。それに比べ、ブラジルの貧民窟に住む人たちの多くは、親族や同郷、そして同じファベーラ内のコミュニティで貧困を分かち合うネットワークがあり、皆さんは孤立感をあまり持たず、それなりに毎日をエンジョイしていました。

 現在61歳の私が子どもの頃、長屋に住んでいましたが、地域はつながり感がありました。
味噌や醤油の貸し借りは当たり前、近所のおじさんが近所の子どもを叱ってしつけたり、潮干狩りに行っておすそ分けをすると、近所中しじみ汁のにおいがしていたりしました。
私が30代になり、仕事と子育てに忙殺されている頃、多くの日本人は核家族化、少しずつ地域や親との関係性が弱くなっていきました。
それがどんどんゆらいでいき、「孤族」の時代に入り、単身世帯が総世帯の3割を超え、自殺者が3万人を超え、身元不明孤独死者3.2万人超、そして老人ホームや移民の急増等格差を是認した多様性のある社会が好むと好まざるとに関わらず始まったのでしょう。

 介護保険制度も、始まった時はデイサービス、ショートステイ、訪問介護等、家族支援が中心の家族介護の軽減が目的であったはずが、たった10年で配偶者や嫁の介護を肩代わりする制度になった。制度の趣旨が違うのですから、財政が破たんするのは当たり前、何か社会の歯車が狂い始めたようですね。

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